真菰を栽培する自然派カフェ、言の葉に行ってきた

 

こんにちは。マコモマイスターの菊池です。今日は、茨城県笠間市に来ています。

 

これから地元で話題の自然派カフェ「言の葉」さんにお伺いします。

 

古民家を活用したカフェです。オシャレですね。

 

入口のドアも歴史を感じます。中に入ってみましょう。

 

内装もオシャレです。真菰のしめ縄もあります。すごくいい雰囲気です。

 

 

 

オーナーの二宮さんです。

こんにちは。菊池です。宜しくお願いします。

「言の葉」の二宮です。宜しくお願いします。

 

二宮真美さんのご紹介

茨城県笠間市で完全無農薬・自然栽培の食材を使ったカフェ「言の葉」を経営。また、在来種を後世に残す活動「あるくたね」も運営している。

 

 

こちらは元々、民家だったんですか?

そうですね。民家を改装して作りました。

ナチュラルな内装ですね。お店を開業したキッカケは何なのでしょうか?

もともとガーデニングが趣味だったので、自然には興味がありました。そんなある時、生死を意識する大きな出来事があったんです。その経験から、「私は何をして生きてきたのか?」、「私はやりたいことをやってきたのか?」と考えるようになりました。

衝撃的な出来事だったんですね。

そうですね。当時は、精神的にも大変なことが多かったです。でもそんな時に私を救ってくれたのは、「言葉」でした。ある時、「手を合わせて作ったものは人の心を丸くする」というフレーズを聞いて、号泣してしまったんですよね。「言葉」には不思議なチカラがあるんだなって思ったんです。

 

だから私は、「言葉を交わす場所」、「言葉を伝える場所」を作りたいと思い、「言の葉」を作りました。

店名の由来は、そこから来ているんですね。

そうですね。でも、志を持って開業しましたが、オープン当初は、色々な問題に直面して、順風満帆ではありませんでしたね。でも今では、その経験をさせて頂いて、有り難かったなと思っています。チラシも出していないのに来店してくれるお客様は、神様にしか思えなかったですね。お蔭様で現在は、私の想いに共感していただけるお客様がたくさんご来店いただいています。

私も二宮さんの想いは、お店の様々なところで感じております。特に入口のドアは個性的ですね。

ありがとうございます。「言の葉」は、当時、倉庫を改修して作りました。入口のドアは、その時にあった倉庫の扉です。この扉を掃除していたら、不思議と「ありがとう」という声が聞こえてきたんです。それで、私も、こういう古いものと今をしっかり繋いでいかないとなって思うようになって、当店の入口のドアとして使うことにしました。

確かに伝統を守ることって大切ですよね。

そうですね。お蔭様で、オープンから10年がたち、現在では完全無農薬・自然栽培の食材を使った料理をお客様にご提供することができるようになりました。自分が食べる分だけを無農薬にするなら簡単かもしれませんが、それをお客様にご提供するとなると話が違います。様々な繋がりや関係者様のご協力がないと実現できません。お客様には、「よくこれだけの野菜をそろえたね」って言われることが多いです。

それは楽しみです。さっそくですが、お食事をいただいてもいいでしょうか?

もちろんです。

 

彩り豊かで、高級料亭のランチのような感じですね。素人の私から見ても、こだわりが伝わってきます。では、いただきます。

 

これは、すごい。めちゃくちゃ美味しいですね。素材の味だけで、ここまで美味しくなるなんて・・・。このおむすびもスゴイ。何もつけないでお米だけでここまで美味しいのは感動です。

 

お米も完全無農薬の自然栽培ですからね。味が違いますよね。このお米は様々な「想い」があって、作られています。我々生産者だけでなく、食べる側もその「想い」を感じて欲しいと思っています。私はそれが「農」を支えることになると考えています。「農業」ではなく、「農」です。「農業」になるとお金が生まれてしまい、そこで争いが起こります。だからあくまで「農」が大切なんです。

「農」を支えるとは、具体的にはどのようなことなのでしょうか?

在来種を後世に残すことですね。

在来種ですか。確かに、現在の農業では、F1種が多く、在来種の絶滅が言われていますよね。

そうなんです。私もそこを危惧しています。ちょうど、「言の葉」が8周年の時です。当時、私は、在来種の種を守っていきたいと考えていました。その時、知人に「在来種の種を守る活動ができるいい土地がお隣の栃木県にある」という話を頂き、現地に見学にいくことになりました。

県をまたいだんですか。行動力ありますね。

しかし、そこはあまりにも広くて、ひどい荒れ地でした。そして「言の葉」がある茨城県内ではなく栃木県の茂木町のため、私には縁もゆかりもありません。私には違うかなって思っていたのですが、翌日、土地の大家さんに会う機会がありました。

大家さんとの面談があったんですか?

面談というより、合同打ち合わせのような場でしたね。私の他にもその土地を使いたい方々が6組くらいいらっしゃって、企画書を持ってきてプレゼンテーションをされている方もいました。

かなり本格的な会議だったんですね。

そうですね。でも、私は具体的に何をするかも決まっていなかったので、企画書もなく、ただ、「種を守っていきたい」とだけ大家さんに伝えました。他の方々と比べたら、さっぱりとしたプレゼンだったと思います。でも、その夜に大家さんからお電話を頂いて、「是非、あの土地を使って欲しい」と言われたんです。

すごいですね。多くのライバルがいる中、勝利したんですね。

そうですね。とてもありがたいお話でしたが、私は正直に、「お金もない」、「農業経験もない」、「時間もない」、と大家さんに伝えたんです。でも大家さんの熱意もすごくて、どうしようか悩みました。

確かに簡単に決断できることではなさそうですよね。

そうなんですよ。だから私は、もう一度、その土地に行ったんです。そうしたら、偶然、蛍が私の前でツリーを作って、また別の日に行ったら、シラサギが何百羽も飛んできて、真っ白なツリーを作ったんです。

それはすごいですね。

そうなんですよ。私はこれは何かのご縁があるかもしれないと思って、「私がこの土地を使うべきなら何かメッセージをください」、って祈ったんです。そうしたら、私の足元から四葉のクローバーが8枚出てきたんです。それが決め手になって、ここで、種を守っていく活動「あるくたね」をすることにしました。

 

すごい偶然が重なって、まさに運命って感じですね。

そうなんです。でも、やることを決めましたが、最初はとても大変でした。畑はゴミが多くあり、ひどい荒れ地で、とても種をまける状態ではありませんでした。そのため、まずは手作業でゴミ掃除をしました。ゴミはトラック何台分にもなりましたね。

そこから始めたんですね。大変でしたね…。

でも、幸いにも「あるくたね」の理念に共感してくれて、手伝ってくれる仲間が徐々に集まってきました。興味本位ではなく、本当に想いがある仲間です。とても有難かったですね。仲間たちに支えられて、ようやく軌道に乗ってきたという感じです。

畑では、最初に何を植栽したのですか?

最初は、真菰を植栽しました。ちょうどリバーヴさんとお知り合いになったタイミングでしたし、お釈迦様がゴザの上で真菰を蘇生させたというお話を聞いたので、まずは真菰だと思いました。

茂木町の「あるくたね」の畑って今から見に行くことはできますか?

もちろんいいですよ。実際にご覧いただきたいので、今からいきましょう。

お願いします。

 

ということで、車で30分程、移動しました。

 

こちらが「あるくたね」の拠点です。今後はここにマコモのお風呂をおきたいんですよね。

いいですね。畑での作業終えて疲れた身体を休めるのにもいいですね。

では、私たちが管理する畑に行きましょう!

宜しくお願いします。

ここが「あるくたね」の畑です。ここでマコモの植栽をやってます。順調に育ってますよ。

順調に育っていますね。私もうれしいです。

そして、現在は、スペルト小麦も植えています。

スペルト小麦ですか? 初めて聞きました。

スペルト小麦は、ヨーロッパから来た在来種の小麦です。外皮が硬く、管理も大変なので、一般的な農家さんはイヤがる種類の小麦です。しかし、台風などの自然災害にも強いですし、パンにして食べるととても美味しいんですよね。しかも、アトピーなどのアレルギーにもならない安全な小麦と言われています。

そうなんですね。それも在来種ですよね?

そうですね。でも、スペルト小麦を生産しているのは、茨城県内だと1人しかいなかったんです。ところが偶然その生産者の方にお会いすることができて、種を分けて頂きました。とても有難かったです。種を頂いたのは4年前ですが、ようやく育てて、収穫して、みんなで食べることができました。

みんなで種をまいて、育てて、食べる。そして、種を後世につないでいく。自給自足の理想的な形ですね。

そうですね。「あるくたね」では、それ以外でも多くの偶然な出会いを頂いています。衣類にも関わることになって、糸を作らなければと思ったら、糸を作れる人をご紹介頂いたり、糸ができたら、今度はそれを織ってくれる人にも出会うことができました。あと、「百姓レボリューション」の原作者にもお会いすることができました。

「百姓レボリューション」とは?

「百姓レボリューション」とは、小説です。日本で大地震が起きて、政治、経済が完全に崩壊し、無政府状態になり、物資や食料の供給がストップし、大混乱になるお話です。そんな状況の中、ある百姓の集団が立ち上がり、新しい衣食住の生産システムを作るストーリーです。この本が、3.11 の東日本大震災の1ヶ月前に出版されたこともあり、当時はとても話題になりました。そして、この百姓の集団が立ち上がった場所が、「あるくたね」があるここ、栃木県の茂木町なんです。すごい偶然ですよね。そんなご縁で、原作者の方が滋賀県からこちらに来られたんです。

すごいご縁ですね。

こんな感じで、その時、その時で様々なご縁をいただき、今ではたくさんの仲間がいます。「あるくたね」がある茂木も、「言の葉」がある笠間もまだまだ使える土地が余っているので、活用していきたいですね。果樹園を作って、ジャムや発酵ジュースなども作ってみたいです。

「あるくたね」にはどうやったら参加できるんですか?

「あるくたね」のfacebook に「いいね」をしてくれれば参加できます。今後も様々なイベントや農作物の刈り取りなども計画していますので、ご参加お待ちしています。

わかりました。

糸や種を持っている方々もご高齢の方が多く、時間もあまりないと感じています。これからも、今まで以上に頑張って、大切な種を後世に伝えていきたいと思っています。また、笠間にある「言の葉」では、自然のお料理を楽しめるだけでなく、カラダにもいい食品や化粧品を取り扱っています。

 

 

マコモやジザニアシャンプー、化粧品、エキス32、なども取り扱っており、定期的にマコモやジザニアを学ぶお話し会も開催しております。はじめての方でもお気軽にご参加いただければと思っております。

 

活動も多岐に渡り、これからも楽しみですね! また色々お話を聞かせてください。

こちらこそ宜しくお願いします。

今日はありがとうございました。

 

取材店

言の葉 (ことのは)

茨城県笠間市笠間4170-25
TEL: 0296-85-5402


あるくたね

活動場所: 栃木県芳賀郡茂木町小深51
あるくたね facebook ページ

 

 

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