自宅でもできる、真菰・マコモダケの株分け方法とは

 

昨年、真菰・マコモダケを育てたので、今年も昨年の苗を利用して育てたい。という方は、「株分け」がオススメです。ということで、今回は、「株分け」について詳しく解説します。

 

この記事を書いた人

株式会社リバーヴ 資材部 佐々木氏

真菰の栽培経験は、30年以上。真菰の株分け、田畑の管理、植栽、収穫など、多岐に渡り担当。30年の経験を活かして、無農薬で高品質の栽培方法も確立。独自の栽培工程は定評があり、見学に来る農家やマコモ愛用者も多い。

 

 

 

 

マコモダケは、どんな植物?

マコモダケとは、イネ科の真菰という植物にクロボ菌が寄生し、太くなった茎の部分のことをいいます。中国では高級食材として使われており、食べるとタケノコのような味です。生でも食べることができますし、炒め物、素焼き、炊き込みご飯など、様々なお料理に活用できます。

 

しかし、すべての真菰に必ずマコモダケができるのではなく、クロボ菌が寄生した真菰にだけ、マコモダケができます。つまり、マコモダケができる、できないはクロボ菌が寄生しているか、していないかだけの違いだけで、どちらも同じマコモの種(latifolia)になります。

ただし、今回の記事では、わかりやすいように便宜上、マコモダケができる真菰を「マコモダケ種 (栽培型)」と呼びます。一方、マコモダケが出来ない真菰は「原生種(野生型)」と呼びます。

 

真菰は最近注目されている植物ですが、「すべての真菰にマコモダケができる」,「真菰とマコモダケは同じもの」、などと勘違いをされている方が多いです。コチラの記事も合わせてご参考ください。

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マコモダケは、どうやって繁殖する?

一般的な植物は、花が咲き、実ができて、最後に種ができ、次の世代に向けて子孫を増やしていきます。私たちが毎日食べるお米、稲作の場合も同じように、種(籾)から苗を作って、田植えをして育てます。

一方、お米と同じイネ科の植物の真菰も、種(実)から苗をつくって繁殖させることもできますが、一般的には株分けや、地下茎から苗を作り、繁殖させます。

真菰は、多年草の植物と呼ばれていて、冬場も地下茎が残ることで、2年(もしくはそれ以上)生き続けることができます。そのため、地下茎の生命力は凄まじく、整った土壌環境のもとでは、竹やぶの中のタケノコのように、どんどん増えていき、新芽を作ります。

当社も真菰(主に原生種)の苗を作る時は、この生命力を利用して、地下茎を小さくぶつ切りにし、水に浸けて苗を作ることもあります。

 

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そして、地下茎同様に生命力が強いのが、株です。植栽してしばらく経つと、小さかった茎の隣に新しい芽が誕生し、茎の数が増えていきます。これを「分げつ」と言います。そして、気がつくと株の太さは、二回り、三回り、もしくはそれ以上になっていきます。当社でも初めて真菰の収穫を体験される方々は、この株の太さに驚くことが多いです。しかし、株が太くなることは、良い面もありますが、太くなり過ぎると、ある問題が生じてしまうので要注意です。

 

 

 

株が太くなると、株分けが必要

株が太くなると、収穫量が増えるというプラスの面があります。しかし、その一方であまり太くなり過ぎると、日光や土壌からの栄養を充分に吸収できなくなり、成長に支障がでてしまいます。真菰も他の植物と同じように、満員電車のような密集状態では、しっかり成長しないのです。そのため、密集状態になったら、これを解消しないといけません。

密集状態を解消するには、株を掘り出して、切断をして、適当な大きさに分けて、新たに植栽をする、という作業が必要になります。株を適当な大きさに分ける作業を「株分け」といいます。「株分け」は、密集状態を解消するだけでなく、余った株で、他の田んぼに植栽することができるので、一石二鳥の作業です。

 

「株分け」の大まかな流れは、まず収穫が終わった真菰田に残っている株を、シャベルなどで掘り起こします。そして、それをノコギリなどで切断し、株を適当な大きさに分けていきます。そして、小さく分けた株を植木鉢などに入れて、水をあげると、小さい新芽が出てきます。

新芽がある程度出てきたら、苗の完成です。真菰田に植栽してもいいですし、自宅に持ち帰って、バケツで育てることもできます。

 

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また、最近、「マコモダケを食べたいから自宅で真菰を育てたのに、秋になってもマコモダケができなかった。どうしてですか?」というお問合せをよく頂きます。これは真菰にクロボ菌が寄生していない「原生種の真菰(野生型)」を栽培していたことが考えられます。また、マコモダケ種を栽培していても、その年の気候や栽培環境によってマコモダケが出来ないこともあります。特に植え付け1年目は養分が茎に充分に吸収されていないこともあるため、マコモダケがあまりならないこともあります。

 

とりあえず、植栽が初めての方は、「マコモダケ種(栽培型)の真菰」を株分けした苗を利用するのがよいでしょう。

 

 

 

株分けの時期と土壌管理

「マコモダケ種の真菰」も繁殖力はありますが、毎年株分けをしなければいけないほど、いきなり株が太くなるということがありません。真菰田のバランスを考えると、3年毎に掘り起こして株分けをするのがよいと思います。

株分けの時期は、3月上旬くらいからはじめるのが良いでしょう。2月だとまだ土が凍っている可能性がありますので、少し早いかもしれませんね。

 

作業手順は、まず、真菰を刈り取った後の切り株を掘り出します。そして、掘り出した後の田んぼの土の中にはまだ多くの真菰の地下茎が残っています。このまま真菰の地下茎を残しておくと、あらゆるところで新芽ができてしまい、バランスの整った栽培ができなくなります。そのため、土を掘り起こして、この地下茎を細かく切っておく必要があります。

 

地下茎を掘り起こした後は、真菰田が更地のような状態になります。この機会に、しっかりと肥料を撒いておきます。そして、田んぼに水を張ったら土の表面を平らに均していきます。これを代掻き(しろかき)といいます。代掻きををすることで、雑草が生えにくく、土壌環境が整い、真菰がしっかり成長してくるのです。

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このように、「株分け作業」は、ただ株を掘り起こすだけでなく、田んぼも整える必要があるため、1日でできるような簡単な作業ではありません。計画的に行う必要があります。株分けは、遅くても4月中には終わらせるようにしましょう。

 

ちなみに、自宅でバケツなどで栽培をしている場合は、毎年、株分け作業を行うようにしてください。バケツの中で株が太くなった「マコモダケ種の真菰」を翌年も同じ環境で育てると、充分に栄養が届かず、しっかり成長してくれないこともあるので要注意です。株分けした苗は、さらにバケツを購入して、複数のバケツで栽培を続けるか、真菰が好きな友人などに差し上げると喜ばれると思います。

 

 

 

実際にやってみました

では、実際に「マコモダケ種の真菰」の株分けをやってみましょう。

これが、秋に収穫が終わって、春を迎えた畑(真菰田)です。

 

すでに、株の中から新しい芽がでていますね。

 

株の掘り起こし作業は、シャベルなどを使って、取り出します。

地下茎にしっかり根を張っているので、掘り起こすのは大変な作業です。もちろん、機械ではなく、手作業で行います。

 

取り出すと、株はこんな形をしています。

これをノコリギ等で細かく切断していきますが、今回は、もう少しわかりやすく説明する為に、自宅の植木鉢で育てていたケースとしてご紹介します。

 

こちらは自宅の植木鉢で育てて、収穫が終わった「マコモダケ種の真菰」です。

 

植木鉢から、「マコモダケ種の真菰」を取り出します。

 

側面から見ると、毛細血管のように根っ子だらけです。真菰の地下茎の生命力が凄いのがわかりますね。

 

土がカチカチになっているので、これをノコギリで切断していきます。「マコモダケ種の真菰」を傷つけないように注意しましょう。

 

 

根っ子もかなり伸びていますが、10~15cm くらい残して、あとは切断します。

 

そして、株を縦に切って分けていきます。新芽が何本か生えているので、それを均等に配分できればベストです。また、株の太さは、片手で握れるくらいになれば、よいと思います。

 

切断したら、1~2週間くらい水に浸けて保管します。

 

この間に新芽が大きくなっていきます。

 

芽がこのくらい大きくなったら、ポリポットに移しましょう。(ポリポットは、ホームセンターや100円ショップで買えます)

 

そして、芽がたくさん出て来て、大きくなったら、苗の完成です。ご自宅なら鉢植えやバケツに移し替えて、畑なら植栽作業に入っていきます。

 

以上が、マコモダケの株分け方法です。

 

 

株式会社リバーヴでは、真菰の苗を作ったり、植栽したり、収穫するだけでなく、真菰の歴史を学んだり、気仙沼の大自然を体験することもできます。

 

ご興味がある方は、コチラまでご連絡ください。

 

 

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